Category: 社説
八重山毎日駅伝、19チームが健脚競う
■与那国の雪辱なるか
新春の幕開けを告げる本社主催の第35回八重山毎日駅伝競走大会(八重山陸協主管)は17日、石垣市営陸上競技場を発着点に、石垣島を東回り一周する16区間76.1キロのコースで開催される。先日参加申し込みが締め切られ、郡内各地区から昨年と同じく過去最多の19チームの出場が決まった。
前回大会は後半15区間まで独走し3連覇は確実と見られた与那国が、最終16区間で思わぬアクシデントに見舞われてアンカーが失速リタイア。この結果、初の女性監督率いる新栄町が白保とグラウンドまでもつれ込む大接戦の末、悲願の初優勝を飾った。
この与那国の例が駅伝の醍醐味、怖さというもので、だからこそ数々の感動のドラマが毎回生まれ、人々を魅了するのだろう。
今回は雪辱を期す与那国を軸に連覇を目指す新栄町、白保、波照間、竹富などの古豪や離島勢を中心にレースが展開されるが、果たして頂点に立つのはどのチームか。今年も19チーム304人の選手たちが地域の期待を一身に背負って抜きつ抜かれつの過酷なレースを展開する。選手の皆さんには沿道の声援が大きな力、励みになる。ぜひ地域の皆さんは応援に出かけて感動のドラマを演出していただきたい。
■駅伝の魅力と怖さ
日本が発祥のこの駅伝の魅力は、何といっても個人のレースと違い1本のたすきをチームが一丸となってゴールまで運ぶところにある。1人で10人をごぼう抜きするレースがあるかと思えば、一方で前回の与那国のように思わぬ失速、ブレーキでトップから最下位に転げ落ちるなどの区間ごとに繰り広げられる順位変動、それはまさにスリリングなレースというものだ。
それはまた選手にとって、自分の走り次第でチームの順位が大きく変動することになるため、その責任の重さ、プレッシャーは相当過酷といえる。
それだけにチーム一丸無事に走り終えた満足感、達成感は何事にも代えがたい喜びであり、そこにチームの絆や結束力が生まれ、そしてそれが見る人々に大きな感動を呼び、国際的な大会にまでに広がったのだろう。
石垣島一周を駆け抜ける地域対抗の八重山毎日駅伝も、こうした魅力と怖さが沿道に詰め掛けた観客を魅了し、今回35回を数える長い歴史となった。
■再び見えてきた都大路
昨年は大会直前に亡くなった父の願いを叶えた新川の大嵩兄弟出場が感動を呼んだ。その前年は竹富の親子3人出場や登野城と新栄町の親子たすきリレー、北部チームの冊子発行などが話題になった。
今回は八重山高校駅伝部が県新人大会で男女とも準優勝し、一昨年のように再び京都で開催される全国高校駅伝の“都大路”を射程内に入れた。これらの選手たちがどういう走りをするのか今大会の見どころだ。特に女子は優勝のコザと僅差。八重山の長距離や地域の結束力を活性化するため、みんなで初の都大路出場を後押ししたい。
大会出場に当たっては、本土から選手を呼び寄せるなど各チーム相当に力が入るが、一方で字会に予算がないため、新川チームのように泡盛やTシャツを販売するなど、結構選手集めや資金集めに苦労しているチームもある。
八重山毎日駅伝は、地域の結びつきを強めるのに大きな役割を果たしており、その地域の栄誉を担って石垣島一周路で過酷なレースを繰り広げる選手たちに、ぜひ字会や公民館、地域住民のバックアップをいただきたい。