Category: 社説
官民一体で起業家育成と人材育成を
■600人余が新成人
成人の日は11日だが、八重山では正月休みを利用してひと足早く4日までに成人祝いが行われ、今年は石垣市の570人余をはじめとして3市町で600人余が晴れて大人の仲間入りをした。そこで新成人の皆さんはじめ八重山の若い皆さんに夢を大きく持って何事にも挑戦する意欲、奮起を望みたい。
世界的な大不況で皆さんを取り巻く環境は、かつての「1億総中流」が今では「格差社会」と呼ばれるように、貧富の差が日本でも拡大し、失業と貧困、自殺が増加し経済・雇用環境はきわめて悪化している。しかも今後の見通しも決してよくない。しかしだからこそ若い皆さんにはそれを乗り越えるがんばりを望みたい。
さらに加えると、これは八重山だけに限らず沖縄全般に言えることだろうが、本土出身の方々に負けない意欲と奮起も望みたい。
■がんばる本土出身者
年間80万人近くの観光客が訪れる八重山は、これは観光地の必然性かホテル業を中心に外資や本土資本の進出が増え、さらに八重山の豊かな自然に魅せられて本土からの移住者も増えた。
今ではさまざまな職場で本土出身の方々が普通に働いているし、市内や離島で飲食店などの商売をしている人々も本土出身者が目立つようになった。市内の桟橋通り、ゆいロードなどの各商店街は最近目立っておしゃれになったが、それは本土出身の方々のセンスの良さとアイデアを凝らした店構えや営業によるところが大きいだろう。
今は落ち着きを取り戻しているが、ここ数年の「移住バブル」の一時期は急激な開発と移住者の急増で自然・文化の消失とともに、八重山経済も本土資本に乗っ取られ、植民地化するのではとの心配が出たほど。それはそれほどに本土の人々が勤勉で各分野でがんばり、それに比べて地元の人々はがんばりが少ないということだろう。
確かに本土の人々は、飲食業や土産品、スキューバダイビング、民宿などの起業をはじめ、ホテルや介護、それにエコなど各分野で活躍している。
■親の意識改革が必要
それに比べ地元の若者は公務員志向が強く、起業志向は少ない。さらにホテルなどの接客業や介護職なども敬遠しがちだ。不況の時代であり安定職業の公務員を目指すのは大いに結構。それならコネの世界もささやかれる市町役場だけでなく、合格者が少なくそのうちゼロの可能性もある県や国の公務員、教員にもどんどんなってほしい。
ただ八重山の若者はそれだけでなく他の分野でも本土の人々に負けないよう挑戦。飲食店でも土産品店でも何でもよい、社長さんも目指してほしい。スキューバダイビング業も決して本土の人々の専売特許ではないはずだ。
商工会や行政も毎年、「起業家育成塾」を継続して開くなど公務員や教員も含め官民一体の人材育成が必要だ。
八重山は観光地としてホテルが雇用の中心であり、若い人たちはホテルを敬遠するのでなく、むしろ一流のホテルマン・ウーマンに挑戦してほしい。 確かに接客の難しさと、これは介護職も同様待遇の問題があるが、経営側にはホテルの魅力アピールと積極的な人材育成への努力が求められるし、行政側もその面の支援が必要だろう。
そしてもっとも大切なことは、公務員志向の強い親の皆さんが「八重山は公務員だけがすべてでない。農業も漁業も、商業も観光も福祉もすべてが大事だ」と変われば、八重山は大きく変わることになるだろう。