12月
9日
2009

空港ターミナルは適正規模で

Category: 社説 Tag: 新石垣空港



ランニングコストを重視せよ

■社会情勢変化と過大な需要予測
 八重山総合情報の発信拠点と、鳴り物入りで2年前に開設した石垣市の「とぅもーるネットセンター石垣」が、経営不振にあえいでいる。
 総事業費約5億円(国庫補助4億5000万円余)を投じて整備した県内有数のIT施設だ。最新鋭の大型シアターに電子図鑑、観光情報システム、パソコンなどインターネット設備をそろえている。
 だがオープン当初から客入りが悪く、施設を運営する市経済振興公社はすぐに赤字に陥り、市に訴えて補助を受けるようになった。

 公社は改善策として入館料を廃止、地域イベント展を定期開催して誘客を図り、これにより利用者は大幅に増えた。
 ところが収入源のインターネット利用者は、1日平均わずか5人。補助と物販販売で稼働しているのが現状だ。 ネット機能接続の充実した携帯電話の普及が背景にあるが、この厳しい状況に公社は「時代の変化に対応し、違う方向性を検討してはどうか」と用途変更を提起している。

■ハコモノ優先の時代は終わった
 センターは離島ターミナルの中にあって、誘客環境としては申し分ない。年間70万人もの出入りがあり、一般の民間事業所に比べてそのポテンシャルは高いといえよう。
 経営不振の最大の要因は、公社が指摘している通り携帯電話のネット利用が広く普及したことだろう。
 パソコンを使わずとも、情報は移動しながらも簡単に入手できるし、利用者の多くは島へ渡る移動の待ち時間にセンターをのぞく程度だ。時間を気にせず、機器を利用する人はむしろ少数だ。

 市はセンター計画で年間10万人の利用を試算、3000万円の収益をはじき出した。それがうまくいかない。結果として時代の流れをつかめず、需要予測を誤ったことになる。
 行政の事業予測の甘さはこれだけではない。市公設市場は大型店舗の郊外化の影響を受け、客離れが長く続いて赤字を補てんし続けた。さらにサッカーパークあかんまも、維持管理に毎年1千万円前後を拠出している。その大きな維持費は、市政の重い足かせとなっているのである。

■厳しさを増す航空業界
 新たな事業で気になるのが新石垣空港旅客ターミナルだ。というのは新空港は開港時230万人、10年後に280万人の需要を見込んでいる。ターミナルはこれに基づいて規模や建築費などをはじきだす。
 施設計画には市長が過大規模ではないか、と提起したことがあるが、最終的に約63億円規模でまとまった。
 だが、それは果たして適正規模なのだろうか。というのは、右肩上がりだった八重山観光入域は、景気悪化で下降線をたどり、今年は70万人台を達成できるかだ。加えて日本航空の再建、航空業界の厳しさが増している。
 確かに新空港開港を控えてスカイマーク社が路線乗り入れを表明し、トリプルトラッキングの可能性が高まっている。さらに台湾の航空会社も定期路線開設を模索し、免税店開設の動きもある。だが3年後に、需要予測の230万人を達成できるのだろうか。

 空港ターミナルは郡民の思いのつまった施設だ。立派なものを建てたいと誰がも思う。だが過大規模だとのちの運営に悲鳴をあげかねない。そうならないよう規模やランニングコストは適正か、再検討の場があってしかるべきだろう。時代は刻々と変化している。

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