川平地域は早期に景観地区指定を
■なぜ引き伸ばす
都計法や景観法に基づく川平地域の景観地区指定がもたついている。去る9月定例市議会に提案されたが、建設土木委員会(今村重治委員長、7人)が、「指定面積が大きく、住民意見を聞く必要がある」を理由に継続審議とし、委員会独自で住民側との意見交換会も開いた上で、さらに当局側に再度の住民説明会を求めるなど、なぜか同案件は慎重審議というか、引き伸ばしをしているからだ。
委員会といっても7人の委員すべてがそうでなく、野党系の数人が慎重意見だが、その意図、真意は何なのか。指定されるとその数人の議員諸氏に不都合なことがあって反対なのか。
今のところ1日から開会した12月定例議会での指定も不透明だが、しかしなぜそうなっているのか不思議だ。
思い起こせば一昨年3月、市議会は島を乱開発から守るため、石垣市風景づくり条例と同計画を全会一致で可決しており、川平の景観地区指定は同条例や計画を踏襲するものだ。それだけにむしろ各地区を積極的に追加指定はしても反対の理由はないはずだ。
30日には市都計審議会も公民館の同意を条件に指定を承認した。議員各氏は全会一致の条例制定時の原点に返り、観音堂地区と同様に川平も早期に全会一致で景観地区に指定すべきだ。
■全会一致の風景条例
川平地域の景観地区は川平、大嵩、吉原、山原など広い地域を範囲としており、景観地区に指定されると建築物や工作物の高さ、形態意匠、開発行為などがある一定制限される。
景観地区指定は07年12月の観音堂地区に次ぐもので、それは都市計画法、景観法に基づき、さらに石垣市風景づくり条例の趣旨を踏襲したものでもある。
07年3月に同条例が制定されるさいも、「土地利用の制限でリゾート開発ができず、地域活性化に支障が出る」「住民への説明が不十分で不安や誤解がある。時期尚早だ」などと今回とほぼ同様な意見が議員諸氏からあった。
しかし当時は「移住バブル」で、島のいたるところで急激に開発が進み、むしろ条例制定が遅いといわれるほどだった。そこで島を乱開発から守るため、議会は島の将来を見据えた大局から「魂を吹き込む議論」を重ね、全会一致で同条例を可決した。
今は「移住ブーム」も落ち着きを取り戻しているが、乱開発の危険は今なお深く静かに潜行し進んでいるというのが実情だろう。
■乱開発から守る
八重山の大きな財産はなんといってもこの自然景観にある。これを乱開発から守るためには、幾重にも法整備が必要だろう。特に川平地域は自然百選やミシュランの三ツ星に選ばれた川平湾や於茂登岳をはじめ、隣には本土からの移住者が殺到する米原地区など八重山でも特に優れた自然景観を有しているだけに、ぜひとも地区指定して乱開発や自然破壊から守りたい。
建築物の高さなどに制限があるということで一部住民の間に不安も出ているが、それは住民生活に大きな支障となるものでもないだろう。企業の開発も当該法律さえクリアすれば可能でありこれも大きな変化はないはずだ。
それを議会の一部はなぜ観音堂は賛成して、川平は反対なのか。風景条例を全会一致可決した当時と今とで極端な状況の変化はない。次は元名蔵の獅子森や白保を予定している。次々追加指定して八重山の大切な自然景観を後世に大事に守っていきたい。