11月
28日
2009

教員の資質をどう高めるか

Category: 社説



指導力向上を課題にしたくない

■教員採用一部試験免除制度
 県教育委員会はこのほど10年度県公立学校教員候補者選考試験の最終合格者を263人と決定した。前年度より44人の減。
 今年は特定の資格や経歴等を持つことによる一部試験免除制度を採用し注目されていた。同制度への応募者は513人で免除が認められたのは102人。県内での臨時的教員経験者が最も多く94人と大部分を占める。この臨時的教員経験者の一部試験免除者は一次試験合格者の3割程度と設定したようだ。

 新規学卒者や同じ臨時的教員経験者に不公平感を生じさせてはいけない。そのためには、その選考に透明性を持たさねばならないだろう。免除者の合格率が63%であっただけに一次試験に懸命に取り組んでいる者にはなおさらだ。
 選考基準を明確にし応募時からの厳しい査定が必要ではないか。安易な応募は教育界に実践力のあるいい人材を求めるこの選抜方法を陥らせることになる。そのためには日ごろの勤務ぶり、使命感や意欲など任命権者は把握しておかなければならない。

■教員の資質向上の方策は
 教員の資質向上は養成教育でというのが民主党政権の政策のようだ。前政権は、当初、不適格教員排除を目的に免許状更新制を打ち出した。その後、教育への国民の信頼を回復するために「教員免許更新制」を導入し、10年ごとに全教員が受講するように変更。興味を持たせる授業や的確な生徒指導など、時代に合った最新の知識や技能を身に付けるよう研さんする、30時間ばかりの大学での講習である。昨年からスタートしたばかりだ。
 それを、民主党政権は検証なきままに廃止を決めた。16日の行政刷新会議の事業仕分けでも予算を大幅削減、10年度限りでの廃止の意見を付している。乱暴に過ぎはしないか。

 「教員免許更新制」に対して、民主党は採用前の教員の資質向上を図りたい意向だ。例えば、「教職課程6年」もその1つ。つまり、大学院修士課程修了を教員免許の取得条件にするということだ。大学を出ただけでは「学校の先生」になれないということになる。
 加えて、現役教員に大学院に2年程度入れ直させることも検討しているようだ。現在、我が国の教員の大学院修了率は小学校3%、中学校5.8%、高校12.3%。

■法曹界に学べ
 実現にはたくさんの難問が横たわる。延長は学生の教職志望の意欲を削ぎ、他業界に優秀な人材が流れないかなどの不安もある。
 現在、教員免許状取得に必要な教育実習は2週間から8週間程度。これではあまりにも少なすぎる。民主党の「教職課程6年」も実習期間を1年にする改善案からきている。
 教員の資質向上は指導力向上と置き換えることができる。その指導力向上とは、教壇に立ち、目の前にいる児童生徒にいかににして分りやすく教え、学ばさせうるかということだ。教員にその技量なくして教育の目標である「自ら学ぶ力」など育つはずはない。
 指導力向上は、教員が児童生徒と教材を媒介にして対峙(たいじ)する中で育っていくものである。その場面が教育実習と言える。

 現在、新採用の教員に対する研修として初任者研修がある。1年間の研修でそれなりの成果を出しているが、それだけでは十分と言えないだろう。そこで、教員候補者名簿に登載された者を臨時的に採用し1年間の教育実習を義務付けたらどうだろう。終了後本務採用とする。司法修習生やかつてのインターン制度にならい民主党案から学んだものだが。

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