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子どものサインに目と耳を

八重山でも増える子ども虐待相談、死亡例も
■今月は児童虐待防止月間  近年、児童虐待のニュースを聞かない日はないといっていいほど問題が深刻化している。医師や保育士、近隣住民などから全国の児童相談所に持ち込まれる件数も07年度は過去最多の4万件を突破した。そして死亡も年間50人を超え、悲しいことに1週間に1人が親の虐待で命を奪われている。  八重山でも今年6月、3歳の男児が父親に殴られて死亡するという痛ましい事件があり、児童相談所や3市町への相談も07年度は53件、08年度は42件とかなりの数に上る。今月は児童虐待防止推進月間となっており、改めてて児童虐待防止について考えてみたい。  虐待には暴力を振るって傷を負わせるなどの身体的虐待、性的行為を強制したりの性的虐待、適切な養育をしない育児放棄のネグレクト、子どもの心を傷つける心理的虐待などがあり、実際の虐待はこれらが複合的に行われるのが多いという。また親の「しつけ」と称しての虐待も目立つようだ。 ■重要な子育て支援  なぜ自分の子どもを殺すほどの虐待が起こるのか。それは子どもが言うことを聞かない、いつまでも泣き止まないなど、親が子どもを思うようにコントロールできないことへの怒りや精神面の不安定さを解消する“はけ口”として、あるいは借金や離婚問題などでイライラが募り、さらには親自身あるいは子どもが難しい病気になったりして子育てに自信を失い、虐待に発展するケースが少なくないようだ。  したがって虐待を防ぐには地域の子育て支援が大きな鍵を握っているといえよう。前述のように虐待は親の子育てへの自信喪失やストレスなどが大きな原因となっている。どのようにすれば親が安心して子育てを楽しむことができるようにするかだろう。  おじいちゃんやおばあちゃんがそばにいる若い夫婦には心強いサポートがあるが、残念ながら八重山も核家族化が急増の一方で、子育てに自信のない新米パパ・ママが増えている。さらに親戚のいない移住者も増加した。  石垣市には「子どもを育てる自信がない」「虐待しそうで不安だ」の相談が08年には42件もあった。また05年に開所した児童養護施設「ならさ」(翁長克子施設長)には2歳から高校生まで42人の子どもが、3人は一時保護で入所している。これらの数字をどう見るかだが、やはり八重山も子ども虐待のリスク、危険性は相当に深刻化して増大しているといえるだろう。 ■きめ細かな支援、保護体制  それだけにかつての八重山の美風である「子どもは地域で育てる」で、子育てに困っている親への声かけや相談など地域の子育て支援体制、県や3市町の相談業務の充実、子どもから発される虐待のサインに対する地域住民の目と耳、いわゆる地域の子どもへの関心と通報・保護体制の充実、そしてこれらの機関・団体の連携が不可欠だ。  石垣市では通常の相談業務のほかに子育て支援センターを開設し、ルーキーママの集いも開いたりして支援をしているが、専門家の配置もないし対策はこれで十分とはいえないだろう。  県も児童相談所分室を07年度に開所したが、3歳男児が虐待死したケースでは初動対応の問題が指摘された。地域で機能する体制づくりを求めたい。  子どもは親を選べないし、子は親に対して実にけなげだ。親も子どもを憎くてというケースはそれほど多くはないだろう。行政と地域住民で楽しく子育てできる環境づくりをすることが虐待防止の最大で最善の対策だ。
  • タグ: 虐待
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