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旧暦9月9日、御嶽(オン)の願いに誘われた…

 旧暦9月9日、御嶽(オン)の願いに誘われた。私が御嶽に着いたちょうどその時、カンプーを結った黒衣の神女(ツカサ)らしい人が車から降りてきたので早速「Kさんの紹介なのですが参加してよろしいですか」とあいさつする▼しばらくあたりのフクギやアコウ木に見とれているとKさんが姿を現し、少し緊張ぎみに拝殿へ入り窓の戸板を開けたりする。神女はいつの間に2人となっていて供物の準備に余念がない▼ふと私が神女にどうして9月9日にお祈りをするのですかと尋ねると「9は最高の数字でそれが重なる今日の日はとてもいい日なのです▼昔は重陽といって男の節句でしたが今は男も女もありません。最高のものが重なることが大切なのです。天と地が重なり、いのちがわき出る▼今日は実はイモを供えて願いごとをするのです。イモは根が地中深く入り込み、葉も天の光を浴びて生い茂っていくそのように私たちの子々孫々が元気に栄えていくよう願うのです」▼準備がすべて整うと神女はおもむろにジィーファー(かんざし)をカンプーの後ろからスッと刺し、そして静かに白衣を羽織る。その場がグッと引き締まる。ただの女が巫(ふ)の女へと変ぼうする美しい一瞬である。低い小さな声ではあるが明確な祈りの言葉が拝殿に流れ始める。(八重洋一郎)

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