八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

幻に終わった「八重山市」誕生

3市町が新たな「自立」の道へ
石垣市との合併を決める竹富町議会はついに覆ることはなく、賛成少数で当局の合併案件は否決された。これを受けて大盛武町長も合併を断念、今年10月1日に予定された石垣市と竹富町による「八重山市」誕生は幻と消えた。この結果、昨年10月、住民投票の結果を受けて合併から離脱した与那国町に続いて石垣市、竹富町も好むと好まざるに関わらず「自立」の道を進まざるを得なくなった。 ■当初から波乱含み 八重山3市町の合併問題はスタート当初から波乱含みだった。2002年12月に任意協議会が発足したが、まずこれに竹富町が参加しなかった。それというのも当時の那根元竹富町長が、西表島への役場移転を掲げて当選し、合併反対・役場移転優先を堅持していたためだ。 その後竹富町の住民請求で翌年6月にしぶしぶ竹富町も加わって法定協議会が設置され、さらに2004年5月の住民投票でも合併賛成が多数を占めたが、それでも那根町長の姿勢は変わらず、合併論議は実質与那国町と石垣市との間で進められてきた。 ところがその与那国町が、同年10月の住民投票の結果、反対多数で合併から離脱。一方で竹富町はその間の8月、合併推進の大盛現町長が合併反対・役場移転推進の那根氏を破って当選、当局側のスタンスは大きく変化した。 しかし合併の是非を決める肝心の議会は、役場移転を推進する西表島選出の議員が14人の定員中、議長含めて9人を占め、結局竹富町と石垣市との法定協設置案件は3度も否決、今年2月末の臨時議会で4度目にしてようやく可決となったものの、合併の是非に関しては悲観的な観測が流れていた。 ■結束固かった西表島選出議員 そして3月定例議会最終日の25日、石垣市、竹富町とも合併案件の採決が行われ、石垣市は賛成多数で可決。竹富町は当初の予想通り5対8の賛成少数で否決となった。しかし大盛町長は合併推進派に押され、28日に臨時議会を招集して再度提案したが、西表島選出議員の結束は固く、6対7で否決は覆らなかった。 大盛町長や大浜石垣市長は、竹富町の民意は合併推進にあるとして西表島選出議員の地域エゴの姿勢を批判したが、ただ3たびの提案は「これ以上、好転は期待できない」と断念し、これにより今年10月1日に発足する予定だった「八重山市」誕生は幻に終わった。 新年度からは合併特例法に代わって合併新法がスタートするが、同法に基づく合併は、特例債や地方交付税の15年保障といった財政的な恩典はほとんどない。このため3市町とも同法での自主的な合併は視野になく、住民投票の結果で自主的に自立の道を選択した与那国町とは違った形となるものの、石垣市、竹富町も同じく自立の道を進むことになった。 ■自立への道筋示せ しかし新年度の予算編成ですでに与那国町で現れているように、自立の道は険しい。同町では三位一体改革による財政悪化で助役・収入役を置かないばかりか町長の給与を20%カットしたほか、職員や議員も給与や報酬をカットし、一方で町民の各種手数料や使用料は軒並み値上げした。同町では今後、財政の柱である地方交付税がさらに減額となり、数年後は公共事業はゼロになるだろうといった予測すら出ているほどだ。 石垣市と竹富町では、合併しないことで人々の暮らしに今後どういう状況が出てくるのか不明だが、しかし合併しないことで地方交付税が確実に減額となることから財政悪化は避けられず、それ相応の役所職員や議員、市民・町民の意識改革ときめ細かな情報提供が必要だ。 特に竹富町で懸念されるのが、今回の合併賛成・反対の対立で生じた住民間の亀裂をどう修復するかだろう。同町では今後さらに、西表島への役場移転をめぐって激しい綱引きが予想される。その場合、町民が置き去りにされないかが大きな懸念だ。 与那国町では具体策はまだ出ていないものの、自立に向けてまちづくりの論議が本格化している。石垣市、竹富町も“痛み分け”論議を重ね、自立に向けた短・中期の道筋を示すべきだ。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム