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小規模特例農家を守れ

サトウキビ新価格制度、本格スタートへ
■3割が交付金対象外  分蜜糖を対象に07年度からサトウキビの新価格制度が導入されているが、同制度が3年間の特例期間を終えて今年夏植えから本格的導入される。これにより石垣市の1ヘクタール未満の約3割の小規模農家が国の経営安定対策交付金の対象外となる恐れが出てきて、事実上廃業の危機にさらされている。  石垣市では整地や収穫、植え付けなどの基幹作業を市農業開発組合などに委託させることで要件をクリアし、交付金の対象にしたい考えだが、ただでさえ10万トン割れで停滞が続く石垣市の基幹産業であるキビ農業と糖業の崩壊にもつながりかねないものだけに、開会中の市議会も特例期間の延長を決議し、市当局と一緒に国に要請するなど十分な対策と支援を望みたい。  サトウキビの新価格制度は、それまでの最低生産者価格を廃止して、たとえば08年産の場合はトン当たり2万621円の生産者手取り額のうち、約8割の1万6320円は国が経営安定対策交付金として支給、残り4000円余は砂糖の販売価格から製糖工場が支払うという市場原理を反映した制度だ。  そこには外国との競争、補助金のばらまき批判がある中で、農家の生産コストの削減と経営規模の拡大を促す狙いがあるようだ。 ■どうクリアするか  県内のキビ農家は3ヘクタール以上は3%、八重山も10%足らずで1ヘクタール以上も3割余と、6割余が1ヘクタール未満の零細高齢農家だ。こうした小規模農家ほど機械化も進まず、生産コストは高いという。  そのため国の経営安定対策交付金はこうしたコスト低減、大規模化を狙いに認定農業者とか、4.5ヘクタール以上の生産組織、1ヘクタール以上の生産農家など4項目の条件をつけ、1ヘクタール未満の農家は特例農家として07年度から3年間は、生産組合を組織して加入することで同交付金を受けられるようにしてきた。  この特例措置が本年度で廃止となり特例農家は現状のままでは交付金の対象外になるというのだ。  JAによると、その対象外となる特例農家は石垣市の全生産者1182戸のうち約30%の355戸あるという。  ただしこれらの農家も今年の夏植えから▽耕起・整地▽植え付け▽株出し管理▽収穫の4つの基幹作業のうちどちらか1つの、その半分の作業を市農業開発組合などの組織に委託すれば従来通り交付金がもらえるという。  しかし農家の中には自らトラクターなどの機械を所有しているのに、なぜ手取り額を減らしてまで作業をよそへ委託しなければならないのか疑問も。 ■特例措置延長を  国としては農家の高齢化が進んでいることから今後、自力で収穫作業などができなくとも、受委託組織を立ち上げて作業を委託することで安定的な生産体制ができるという考えがあるようだ。またJAは500キロ収量を増やすことで委託費を相殺できると農家努力を求める。しかし果たしてこの大規模経営誘導の新制度は、零細な離島農業にとって良い制度といえるかどうか。  石垣市では、作業の委託は組織にしかできないため農機具所有者などによるオペレーター組織を立ち上げ、特例農家に基幹作業の委託を促していくことにしているが、一方で市としても特例措置の延長も国に求めるべきだ。既にJA沖縄も要請活動を展開。19日には生産者集会も予定されている。  サトウキビは沖縄の基幹作物であり県経済に与える打撃は大きい。大規模化、効率化を求めるあまり小規模農家の切り捨てがあってはならない。

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