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サンゴ礁研究の加速を

オニヒトデ大発生で窮地に
■産卵期迎え大増殖に懸念  サンゴ礁が悲鳴をあげている。オニヒトデの食害が止まらない。竹富町の石西礁湖、石垣島周辺で増殖は続き、さらに産卵期を迎えた。事態は極めて深刻だ。  オニヒトデ大発生の兆候が確認されたのは一昨年秋だ。登野城漁港近くのサクラグチで300匹近くを駆除して以来、ダイビング協会や漁協関係者の懸命の駆除活動を行っているが、すさまじい増殖ぶりで、被害を抑えきれない。  伊原間沖では、わずか1時間で3724匹も駆除している。折り重なるようにサンゴ礁を覆うオニヒトデは、大型化して軍隊アリのように食害行進を続けており、リーフの浅瀬でも見かけるようになった。  郡内各地では海水浴シーズンでもある。強い毒を持つオニヒトデに住民、観光客が刺されないよう警戒しなければならない。 ■進まぬ駆除技術の研究  八重山のサンゴ礁はその前、海水温上昇に伴う白化減少で過去最大のダメージを受けた。弱ったサンゴにオニヒトデ大発生が追い打ちをかけている。  だが地球温暖化の影響という人類共通の課題とは別に、生物被害を止められないのは問題だ。  郡内では1970~80年にかけてオニヒトデ大発生、被害に遭った。当時、環境省は効率的な駆除方法としてホルマリンガンを試みている。  オニヒトデをモリなどで駆除すると折れたサンゴが発する粘液が、別のオニヒトデを誘引するといわれ、このためホルマリンをオニヒトデに注入する駆除方法を取った。  しかし現在行われている駆除は、ダイバーがカギでサンゴからはがすという昔ながらの人海戦術だ。  それでは駆除スピード、量も落ち、費用もかかる。オニヒトデの生態解明研究や駆除技術の開発が進まず、予算面でもボランティアへの依存度が高いのが現状だ。   ■サンゴ礁に明確な価値付けを  最も大きな問題点はさんご礁の価値付け、保全の法的位置づけが弱いことだ。  豊かなサンゴ礁は豊かな漁場であり私たちの暮らしと切り離せない。ダイビングなど観光面でも大きな経済効果を生んでいる。その価値は誰もが認めるものだろう。  ところが大型貨物船が座礁してサンゴ礁に多大なダメージを与えても、岩礁扱いで補償はない。評価自体が漠然としているのだ。このような場合、被害面積に応じてサンゴを補植させることがあってしかるべきだろう。  確かにサンゴ礁は自然の再生力を持つが、それも回復に限度があるのだ。  また沿岸のリーフなどでは潮干狩りなどで踏みつけられ、人的被害で喪失した海域も少なくない。私たちは、サンゴ礁への負荷の大きい浜下りのあり方を見直し、一定のルール作りも行わなければならない。  近年は自然環境保全への意識も高まり、石西礁湖を中心にサンゴの移植・補植作業が行われている。さらに児童生徒のリーフチェックや観察研究に取り組んでいる学校もある。  これらの自然環境を次世代に引き継ぐため、関係機関の監視態勢や有害生物の駆除技術など、研究開発を加速させるよう要望したい。  過去のオニヒトデ被害の教訓を生かせないのでは堂々めぐりだ。海中の状況は、一般住民になかなか伝わりにくい。
  • タグ: オニヒトデ被害オニヒトデ駆除サンゴ
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