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法定外目的税の創設は慎重に

財源確保には歳出削減が先決
石垣市議会総務財政委員会(石垣三雄委員長)は、法定外目的税として「石垣市環境生活保護税」について審議を重ねているが、その創設には慎重を期す必要がある。観光インフラ整備については、行政システムを改革して財源を捻出することが先決であり、同時に観光産業関係者や市民の理解を得ることも忘れてはならない。 ■環境生活保護税 現在審議されている観光生活保護税の趣旨は、市内のホテルや旅館、民宿などの宿泊者に、1泊当たり宿泊料1万円未満は200円、1万円以上は300円を課税して、その財源を観光振興施策やごみ処理、上下水道、道路など観光インフラの整備に当てるというものだ。本郡の観光が、諸般の情勢による後押しでようやく右肩上がりの成長軌道に乗りかけた時期だけに、観光客に課税することは観光意欲を阻害する大きな要因となりかねず、時期尚早というほかない。 観光が八重山の基幹産業として大きな地位を築いてきた要因は、第一に、亜熱帯資源に恵まれた自然環境の優位性にある。緑豊かな山野、豊かな動植物をはぐくむ河川、島々を取り囲むサンゴ礁と紺碧の海など。 第二は、その優位性を長年にわたって宣伝し、観光客の導入に貢献してきた観光産業関係者の地道な努力。 第三は、その優位性を全国に認識させてくれたテレビや新聞などのメディアなど。 そのような努力で培った成果に、いきなり税を賦課することは、棚ぼた的で、賢明な財源確保とはいえまい。 ■役割分担を 観光客の入域増加で、経済的に恩恵を受ける機会は年々増加傾向にある。例えば石垣市内の宿泊施設は104棟、3100の客室に7812人収容可能で、そこに職場が生まれ多くの従業員が働くことができる。 また、年間70万人余の観光客が地域に落とす消費額は約400億円余と試算され、飲食、土産品、交通費などの消費をとおして地場産業に大きな活力を与えている。 しかし、デフレ経済不況の中で、観光客のふところは決して豊かとはいえない側面を持つ。個人消費額は、景気の良かった時期は一人11万円だったのが、現在は7万円と減少していることがその実態を物語る。 そのような状況下で観光客が増加する背景には、安いパック旅行料金があるといわれる。例えば、東京から2泊3日で2万4000円。中には、2万円を切るツアーもあるというからまさに豊作貧乏の中で、観光関連産業は奮闘せざるをえない状況にある。 こうした厳しい実態の中で、観光客に課税することは不快感を与えるのみならず、将来の観光振興を阻害する大きな要因となりかねない。それよりも、新石垣空港の建設にメドがつき、観光客受け入れ体制の構築に弾みがついている中で、地元に強く求められるのは観光振興を促す風土作りだ。 それには、市民と行政の役割分担が必要だ。まず市民にもとめられるのは清潔で安全・安心の町並みを築くことである。同時に、観光客など来訪者に親切にふるまう習慣の育成や、伝統芸能の鑑賞・体験で香り高い文化を印象づけることも大切だ。やさしく温かい市民性を、自然景観同様に親しんでもらうことが、観光は無論のこと、地域産業の発展をけん引する大きな要因となろう。 行政や議会には、歳出削減に一層努力することが求められる。そうすれば法定外目的税で目論む程度の財源の捻出は容易に可能なはずだ。今、ちまたで盛んに論議されている議員報酬や職員給与のカットのみならず、無駄な支出の排除や定数削減なども真剣に検証して改革することが先決である。 ■地域活性化策 財源の不足を、安易に他に転嫁して充当すれば、市民からのそしりはまぬがれまい。反面、知恵と努力を生かして財源を確保すれば市民の信頼を得る好機にもなる。 地方税や社会保険料の滞納が、景気の悪化でさらに増加傾向にあるといわれる。滞納整理にかかわる法的知識やノウハウを十分に駆使できるよう職員のスキル向上を図り、徴収率の向上にも努めるべきだ。また、民間で処理可能な業務は民間に移管して財政効率化を図り、民間活力を促したい。 一方、デフレ不況であえぐ市民の意欲を喚起し地域活性化を図ることも不可欠だ。一つは、プロ野球キャンプの早期誘致。二つは人気のテレビドラマや映画ロケの誘致。特に「釣りバカ日誌」のロケ地公募に毎年誘致合戦が演じられるが、好漁場を誇る石垣市も誘致への強い熱意を示してほしい。

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