
Category: 社会・経済 Tag: 環境保全 西表島 観光産業
樹木の成長阻害
竹富町自然環境課は、ヒナイ川周辺で行われているカヤック(カヌー)ツアーの利用者による自然環境への影響(入域観光圧)実態調査を行い、このほど報告書にまとめた。それによると、ヒナイ川のカヤック係留所で、入域観光客により土壌が踏み固められ、周辺の樹木の根や茎の発達を阻害しているほか、マーレ川のカヤック置き場でも、成長が阻害される樹種があるほか、入域観光客の踏圧が自然環境に影響を及ぼしている実態が明らかになった。
ヒナイ川の入域観光形態はマーレ川、西田川、船浦橋の東端付近からアプローチし、カヤックで係留地までヒナイ川を移動し、左岸に係留し、観光客はそこから滝上・滝下まで徒歩で移動するトラッキングが主流で、その9割以上をツアーによる入域観光客が占めている。
その数は、夏・冬期平均で1日当たり16組(夏23組、冬7組)、57艇(夏91艇、冬23艇)、75人(夏121人、冬28人)。夏・冬の期間中(7カ月)で約1万6000人が入林している。
調査は2008年9月18、19の2日間行われ、ヒナイ川周辺で▽植生▽干潟域▽マングローブ域の3つの調査を実施。このうちマーレ川のカヤック置き場およびピナイサーラの滝下のカヤック係留所までの範囲で実施した「植生調査」では、マーレ川とヒナイ川の2つの川で観光客の踏圧の影響の度合いが違う3つのポイントで、山中式土壌硬度計を使い各ポイントごとの土壌硬度を計測した。
その結果、ヒナイ川のカヤック係留所で土壌硬度が「樹木の根や茎の発達が阻害される」、マーレ川のカヤック置き場も「根や茎の発達が阻害される樹種がある」と判定され、観光客の踏圧が周辺の植生に影響を与えている実態が明らかになった。
西表島カヌー組合(川満晃弘組合長、33業者)では、自然環境への影響を最小限に抑えるため、1日の案内者数を最大14人と制限しているが、業者数が増加傾向にあるほか、組合未加入業者もおり、年間の案内者数は年々増加傾向にある。
将来的に土壌硬化やトイレの未整備による水質汚濁が生態系への影響も懸念されている。報告書では、このようなことから、自然環境の維持・保全に向け、関係機関の連携による(1)同川周辺を訪れる1日当たりの入域観光者数を現状と同じ75人程度とするルールの制定(2)カヤック乗降地への桟橋設置(3)ピナイサーラの滝上下までのトレッキングルートの固定化(4)トイレの設置(5)新規参入ツアー事業者による無秩序な事業行為防止対策の徹底を求めている。
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