八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

3市町役場が率先せよ

県花デイゴと同じく、ヤシガニも消滅の危機
■八重山の珍味  県花のデイゴ同様、南国「八重山の珍味」として観光客らにも重宝されているヤシガニも絶滅の危機にあるようだ。05年から竹富町の鳩間島でヤシガニの生態などで調査研究を進めてきた独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所(与世田兼三支所長)は、2月下旬に開いた石垣市教育委員会主催の講演会で調査研究報告を行い、「年々固体は確実に減ってきており、このまま放置しておくと絶滅の可能性が高い」と、八重山の特産品としての資源保護と回復のために捕獲や販売などで早期のルール作りの必要性を提言した。  捕獲している人たちに聞くと、確かに小型化して数も少なくなっているようであり、このまま乱獲が進むと八重山ではヤシガニが食べられなくなる恐れは年々強くなっているようだ。そのために環境省のレッドリスト絶滅の危険が増大している「絶滅危惧種II類」にも指定されている。  そこで思うのが、こうした研究機関のありがたい提言に答えて、誰が最初に声を挙げ、このヤシガニの資源保護にリーダーシップを発揮して取り組んでいくかということだ。 ■誰が率先し守るのか  この種の問題は、今回のように研究機関などから提言があり、住民や行政などに問題意識はあっても、なぜかなかなか動きが出てこないし取り組みが具体化しない。消滅の危機がいわれる県花のデイゴも未だにそうだし、この水産物でもないヤシガニは八重山漁協の範ちゅうでもなく、一体だれが保護・増殖の音頭を取るべきだろうか。  そこでいえるのは、もしこのヤシガニ料理が本当に八重山の珍味として大事な観光資源・特産品であるとするなら、それは当然石垣市、竹富町、与那国町の3市町役場が率先して音頭をとり、県や研究機関、捕獲・販売・調理業者ら関係者すべてに呼びかけて一緒に取り組むべきものだし、もしそうでなければ効果も出てこないだろう。  ヤシガニは体重が4キロ以上にもなる世界最大の陸生甲殻類で、カニといっても実際はオカヤドカリの仲間だ。沖縄を北限に南太平洋諸国に生息し、これらの島々では貴重なタンパク源、あるいは回春薬として特別なご馳走になっているという。  八重山でも昔から石垣市、竹富町、与那国町の3市町住民の間で普通に食されてきており、近年はヤシガニそばなど与那国ではコース料理もあるほど観光客に人気のメニューだ。 ■ルールをつくろう  世界で初めて陸上での産卵や抱卵、交尾などの写真撮影にも成功した西海区水産研究所石垣支所は、料理店が卵を産むメスや小型のオスは捕獲しないなど、資源保護のために独自のルールを定めていることは大いに評価している。ただ繁殖には現在料理に出している大型のオスこそがむしろ必要としてその保護を強く訴える。▽食用には0.5~1.3キロ程度のオスを利用する▽6~8月の繁殖期は捕獲しないなどのルール作りを求めている。  寿命およそ50年といわれる長命のヤシガニは、観賞用にも重宝されているが、しかし養殖にはどうやら不向きのようだ。それというのも500グラムまで成長するのに10年もかかるほど成長が遅いからだ。  ということは大型のオスが減っている現在、ヤシガニは確実に絶滅に向かっており、早急な対策が必要だ。3市町は担当課を決めて早急に組織作りとルール作りに立ち上がってほしい。
  • タグ: ヤシガニ絶滅危惧種
  • ページ移動

    キーワード検索フォーム