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移住ブームが沈静化して

新空港開港後の街づくりビジョン示せ
■市民は安ど?  ここ数年続いていた石垣市の移住ブームが沈静化しているようだ。2007年の人口動態で転入者から転出者を差し引いた社会増が前年の467人から58人に大幅に減少しているというのだ。この5月の本紙報道「移住ブーム沈静化」に安どした市民は少なくないはずだ。  それというのもNHKテレビの朝のドラマ「ちゅらさん」で一気に火がついた沖縄ブーム・離島ブームで観光客とともに本土からの移住者が増加。市内いたるところでアパート・マンションの建設ラッシュの一方で、米原はじめ市内各地域の海岸線などでも無秩序な開発や住宅・店舗建設が相次ぎ、さらに観光産業に本土資本や外資が相次いで参入、このまま行くと八重山の自然、文化、経済はどうなるのかと、石垣市「風景づくり条例」が制定されるなど非常に懸念されていたためだ。 ■癒しの島の理想と現実  確かに3市町の人口を見ると、01年1月現在与那国町は1800人余が今年8月現在で1600人余に減少して依然過疎が続いているが、石垣市は4万5149人が4万8084人に2935人増え、竹富町も同じく3644人が4151人に507人増加し、全国の離島・山村地域の中ではまれな活気のある地域となっている。  そしてこのうち石垣市の社会増は、02年46人が03年110人に増加。04年355人、05年348人、06年467人とピークを迎え、昨年は一転して58人に激減したというのだ。  住民登録をしていない“幽霊人口”を含め移住者は実際はどれくらいいるのか、人口が増えた分すべてが移住者とはいえないし、与那国も人口は減っているが移住者はいるのである。  沖縄移住支援センターの説明では2年前は月に70件ほどの問い合わせがあるなど異常だったが、いまは10件ほどと完全に落ち着いているという。  その理由としてはテレビや雑誌、芸能人などのPRもあって海のきれいな石垣島に移り住んだが、就職や安い賃金の問題、島の風習・暮らしなど「郷に入らば郷に従え」など理想と現実の問題もあって1、2年で挫折する人が出るなど、これらが口コミやインターネットなどで発信されて沈静化に結びついている部分もあるようだ。 ■世界的金融不安の中で  ブームの再燃はあるのか、このまま収束していくとなると、供給過剰で空き室も目立ってきた中で依然建設が進んでいる市内のアパートやマンションはどうなるのか、移住者はこのまま定着するのかしないのかなど今後“移住バブル”の後遺症も心配される。  2013年の新石垣空港開港をにらんで西表の船浮や伊原間牧場、川平など各地域で再びリゾート計画が動き出し、さらに全国展開のルートインに続いて東横インも石垣市での建設に着手し、“ホテル戦争”も激烈だ。  一方で新空港予定地の土地所有者でもあった不動産業者や銀行が倒産するなど、原油・物価高騰に加えて世界的な金融不安が日本経済にも暗い影を落としている。これらは八重山の観光や産業経済に確実に影響を与えるだろうし、石垣市は新空港開港後もにらんだ新たなビジョンを策定すべきだろう。  人口や移住者、観光客の適正規模はどの程度が理想か、本土資本や外資が進出する中で弱小の地元企業をどう保護育成するか、さらに新空港へのシャトルバス運行など交通体系づくりも含め5年後に迫った開港に向けて早急にビジョン作りに着手すべきだろう。
  • タグ: 入域観光客移住
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