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ライフジャケット貸し出しで効果

7―9月で930人利用、水難防止
 【黒島】日本ウミガメ協議会附属黒島研究所(亀崎直樹所長)は10日、昨年9月に仲本海岸でシュノーケル中におぼれ死亡した齊藤由季さん=当時38歳=の母親・齊藤知子さんと、妹・充奈子(みなこ)さんの来島に合わせ、黒島研究所で観光客の安全確保を目的に無償で実施しているライフジャケットの貸し出し状況を報告した。ライフジャケットは由季さんの告別式のとき、黒島に同行していた友人らが参列者に呼びかけ、集めたお金で購入したもの。  黒島研究所には齊藤さん母娘と友人、公民館長や役員、消防団員が集まり、若月元樹所長代理が、今年7月から9月にかけて、3カ月間の利用状況をまとめ、報告した。昨年は同3カ月間に3人の死亡事故が起きている。  報告によると、利用者の総数は930人。年齢は1歳から69歳、男女の割合は女性が55%で若干多めだった。  また、日帰り観光客が全体の7割を占め、島民らから海の情報を得られにくい日帰り観光客の安全対策に一定の効果があったことがうかがえる結果となった。  同行者の有無についての報告では、単独遊泳の割合は4%と少なかったが、この期間は夏休みも含まれ、家族連れの利用者数が多くを占めているため、「時期によって利用者の状況が大きく変わる」としている。  利用者の人数を地域別に分けると半数は関東、関西で東海地区を合わせると県外が85%を占めた。  結果を発表した若月所長代理は、「研究所の見学者数の伸びから見て、今夏の観光客数は昨年を上回っている。昨年は3人が亡くなったが、今年は同期比で犠牲者が出なかった。この結果は、ライフジャケット貸し出しの効果も大きいと思う」と説明。そのうえで「荒天時に引きとめたり、飲酒している人の遊泳を止めたりと、直接接触することによってリスク回避の効果もあった」と述べた。  娘を亡くした齊藤さんは「娘の死が、黒島の皆さんにマイナスをもたらして本当に申し訳ありません。この結果を聞き、娘の友人たちの活動が、黒島にプラスをもたらしてくれたことがうれしく、娘の死が無駄にならなくてよかった」と話した。  昨年、死亡事故や溺水事故の救助にかかわった公民館役員は「今年、死亡事故が減ったのはうれしいこと。去年は死亡事故以外にも何度も溺水事故で現場へ駆けつけたが、今年はほとんど無かった」と話し、「石垣島に宿泊する日帰り観光客の利用が最も多く、研究所の善意でシステムがまわっているうちに、島内はもちろん、警察や海保、船会社や行政も連携して恒久的な取り組みにしていくべきだ」と、ライフジャケットの維持・管理・貸し出しが今後も継続してできるよう訴えた。  研究所では今回の結果を島内に配布している研究所だよりに詳しく載せることにしている。(黒島通信員)
  • タグ: 水難事故黒島
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