5月
10日
2008

新しい観光メニューに

Category: 社説 Tag: ヨット 入域観光客 観光産業



石垣港湾マリーナ・ビーチの早急な整備を

■落ち込みの原因は
 順調に増加してきた八重山の観光客が昨年10月以降減少を続けているが、平成19年度の観光白書によれば国内の宿泊を伴う観光旅行は1人当たり年間1.7回(平均2.8泊、観光消費額は1万9000円)と長期的に低下傾向にあり、全国の観光地は官民一体で観光客誘致に必死である。
 原因は原油をはじめとする諸物価の高騰、所得の伸び悩みから来る消費意欲の減退、少子高齢化の影響やレジャーの多様化で選択肢が増加していること、年休など休暇取得の伸び悩み、携帯電話など日常生活に経費をかけざるをえない若年層の旅行離れと指摘するJTBの報告が注目を集めている。

 団塊の世代が定年退職を迎え始めた今、高齢、熟年旅行者は増加傾向で期待出来るものの、若年旅行者は減少傾向で観光業界はいささか戸惑い気味である。
 日本人の海外旅行は1750万人でほぼ頭打ちだが、訪日外国人は政府が提唱しているビジットジャパンキャンペーンなどの効果で増加し、昨年は834万人、対前年13%増となった。国・地域別にみると最も多いのは韓国の212万人で、台湾131万人、米国82万人、中国81万人、香港35万人などと続く。

 沖縄は海洋博やサミット開催を契機に本島の空港、道路、港湾など観光インフラの整備が進み、国内の各観光地が不振にあえぐ中、沖縄の一人勝ちといわれていたが、最近は石垣空港と同様、那覇空港の本土路線乗降客数が伸び悩み、クルーズ船、チャーター便を中心とする海外旅客の増加でカバーしている状態である。
 今後は自然を楽しむ行動的な熟年層対策、若年層にアピールする魅力的な八重山らしい観光メニューの開発が必要になってくる。

■ヨットレースの開催を契機に
 ところで先日、第8回、2008・美ら花カップ日中友好親善国際ヨットレースが開催された。
 参加艇は台湾側6艇を含む14艇で競われ、台湾の基隆港から244キロ離れた石垣港を目指すもので、全艇無事ゴールイン。クルーおよび関係者180人余が集い、お互いの健闘をたたえ、国際交流を深めた。国防上の見地から海洋レジャーが制限されていた台湾では近年中国大陸との関係改善が進み、ダイビングや釣り、ヨットなどに興味を持つ観光客が増加していることは、台湾から最も近い日本である八重山にとって大きなマーケットとなるであろう。石垣島はアジアの十字路と呼ばれる地理的条件からヨットの盛んなオーストラリアやヨーロッパ方面からの補給寄港が多いがマリーナがなく整備の必要性が強く叫ばれていた。

■新しい観光の目玉に
 美しいサンゴ礁の海に囲まれ、西表石垣国立公園など特徴ある島々が多数あり、台湾、宮古、沖縄、本土各地に島づたいでセーリングを楽しめる石垣島は絶好のマリーナ拠点であり、ヨットが似合う滞在型の島といって過言でないだろう。
 さらに自然の風力、海流を利用して走行するヨットは地球にやさしく21世紀型、究極の海洋レジャーといえる。

 若年層の旅行離れとは裏腹に、時間とお金がある程度自由にできる元気な中年、熟年層にとってヨットは八重山観光の新しい目玉で消費額も高く魅力的なターゲットである。ウイークデーは都会で元気に働き、週末にセーリングを楽しむ人々はかなりの人口にのぼり、神奈川県や千葉県はヨットの基地となっていて、宜野湾マリーナでは本土在住者の需要も高いという。いまやマリーナ事業は花盛りで、社団法人日本マリーナ・ビーチ協会加盟会員は195社にのぼる。

 マリンリゾートの先進地であるハワイやオーストラリア、地中海方面でマリーナのない観光地は一流になれないという。新石垣空港の建設が進んでいるが、今後マリーナ・ビーチなど港湾の整備が急務で、滞在型を目指す八重山観光の強みにしなければならない。石垣港マリーナ・ビーチの早急な整備が実現できるよう関係各位の強固な取り組みを期待したい。

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