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魚介類から有害物質 WWFジャパンが報告書

体内に高濃度で蓄積
生態系に重大な脅威、国や県に実態調査求める
 WWFジャパンはこのほど、有害な化学物質が南西諸島の干潟やサンゴ礁に与える影響に関する調査報告書をまとめ、名蔵川河口の干潟、アンパルに生息するティラピアなどの体内に水銀が蓄積され、こうした魚介類を捕食する猛きん類のミサゴに影響を与えかねない水準に達していることを明らかにした。除草剤の一種、ジウロンによってサンゴが受けるリスクや、石垣島で捕獲したウミガメの一種、タイマイにポリ臭素化ジフェニールエーテル(PBDEs)と呼ばれる化学物質が高い濃度で蓄積されていることも明らかにした。  同調査結果に基づき、WWFジャパンは25日までに、「有害化学物質が南西諸島の生態系に対する脅威の1つであることを再認識し、対応が進むことを期待する」として、環境省と県に実態調査を求める要望書を提出した。  同調査は2005―07年度に行った「南西諸島における野生生物の有害化学物質調査」。WWFジャパンでは「南西諸島では、化学物質による汚染の懸念がありながら、本格的な調査や情報が少なかった」として調査した。  調査は(1)石垣島などに死亡漂着したイルカ・クジラ類、ウミガメ類の有害化学物質による汚染の実態調査(2)アンパルを含む干潟・河川の魚介類の有害化学物質による汚染の実態調査(3)サンゴに対する有害化学物質暴露の影響実験―の3点。  このうち、アンパルで採取したティラピアに蓄積された有害物質の濃度を調べたところ、水銀の濃度が高いことが分かった。石垣島沖のカツオ、アンパルなどで採取したティラピアとボラ、ガザミのなかには、それを食べた場合にミサゴが影響を受けるおそれのある水銀を蓄積しているケースもあった。  水銀が蓄積された理由について、報告は「石垣島の人為的汚染源は少ないと思われるが、中国など東シナ海沿岸諸国における人間活動の影響が及ぶ可能性は高い」との見方を示し、東アジア地域全体を網羅した生態系保全や環境監視のネットワーク化の必要性を指摘した。  また、船底塗料や除草剤として使われるジウロンがサンゴの成長に与える影響に対する調査では、1リットル当たり1マイクログラムの濃度で稚サンゴを飼育したところ、成長に遅れが出ることが分かった。  報告では「ジウロンの使用量は沖縄は全国一。大雨の後などに赤土とともに農薬が海に大量に流入する可能性がある」と影響を懸念し、「県内各地で濃度の測定が行われることが強く望まれる」としている。  ウミガメに対する有害化学物質の汚染状況では、石垣島で採取したタイマイに、有機ハロゲン化合物の一つ、ポリ臭素化ジフェニールエーテル(PBDEs)が高い濃度で蓄積されていることが分かった。PBDEsは、燃えにくくする効果を持つ「難燃剤」として用いられる化学物質の1つで、電気製品、携帯電話、パソコン、カーテンなどに使われているという。
  • タグ: WWF有害化学物質赤土流出
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