3月
26日
2008

どうすれば再生できるかtweet!

Category: 社説 Tag: オニヒトデ被害 サンゴ白化現象 温暖化 赤土流出



元の「サンゴの海」回復へ手立て示せ

■異変進むサンゴの海
 23日は竹富町黒島で恒例の「八重山の海びらき」イベントが行われ、南国八重山は早くも海のシーズン到来を全国にアピールした。このように八重山の漁業や観光は「海」をなくしてありえないが、その海の異変がさらに進んでいる。日常的な赤土流出に加え、地球温暖化による白化現象、オニヒトデの大発生などでサンゴ被害が年々深刻化しているのだ。
 これに対し赤土流出対策を含むサンゴ保全・再生への研究や対策は進み、数々の提言も行われているが、しかし目立った成果を出すまでにはいたっていない。自然環境破壊のしっぺ返しともいえる地球温暖化による白化現象に対しては有効な対策はなく、オニヒトデ駆除に関してもダイバーなどボランティアによる人海戦術に頼らざるを得ないのが現状だ。

 こうした中、今年が「国際サンゴ礁年」ということもあって、今月29日、内外の研究者や行政関係者らが一堂に会してサンゴ島フォーラム「うみとぬー(海と野)」が石垣市民会館中ホールで開かれる。テーマは「美ら海のサンゴと美ら島の産業を未来につなぐ」。
 石垣市サンゴ大使の歌手加藤登紀子さんも加わって、テーマに沿ったトークセッションやパネルディスカッションなどが行われるが、この時宜を得たフォーラムで、どうすればかつてのサンゴの海が再生できるか、具体的な対策、手立てが示されることを望みたい。
 サンゴの保全・再生に向けては環境省や沖縄総合事務局、県、市町村、環境団体、研究者らを網羅した石西礁湖自然再生協議会が06年2月に発足、精力的に再生に向けた論議と活動を展開している。

■目標は復帰当時の海
 石西礁湖は石垣島と西表島に広がるわが国最大のサンゴ礁海域。1970年代にはサンゴが海面を覆いつくすほどだったのが、いまは先の赤土などに加えて生活廃水などによる水質悪化、人工構造物設置などの沿岸域開発などでサンゴは年々減り続け、危機的状況にある。そのため長期的には、72年の本土復帰いわゆる国立公園指定当時の豊かなサンゴ礁生態系を取り戻す。そして短期的には環境負荷を軽減し、現状より悪化させないをそれぞれ目標に同協議会が発足した。

 去る22、23日に7回目の協議会と支援専門委を開くなど活動を継続中だが、その間サンゴ再生に向けたマスタープランとして5つの方法を提案。その上で農業や漁業、観光に配慮した海域保全、サンゴ群集の修復、水質改善、サンゴ礁に配慮した各種工事、環境学習、モニタリング調査などの対策を提示している。
 また環境省は世界初のセラミック製の着床具で育てたサンゴの移植も06年に行っており、その結果は生残率が8割に達し、「成功」と報告している。

■国営事業でサンゴ再生
 このように石西礁湖に関しては、協議会メンバーらの目標を定めた精力的な活動で具体的な方策も示されており、あとはこれをどう実践につなげていくかだ。一方で石西礁湖以外の海域の対策はどうするかという問題もある。
 さらにこのサンゴの保全・再生に関しては石垣市や竹富町、与那国町それに県も、どちらかというと主に研究者やボランティア任せで肝心の地元自治体として取り組みの弱さが指摘されている。
 先にも指摘したが数々の研究や対策は次々示されるが、しかしこれといった目だった成果は出ていない。サンゴに大きな被害を与えている赤土流出は、結果として国営土地改良事業の“負の遺産”ともいえるものだ。一方でサンゴの移植事業に効果があるとするなら、こうしたサンゴの保全・再生事業を国営で実施するよう国に求めるべきだ。八重山のサンゴはそれほど価値があるものと考える。
 しかもこれらは自治体や研究者だけで解決できる容易な問題でない。それだけにどうしても国の大きな力が必要だ。

 大切なサンゴの海を守り、次代に引き継いでいくためには、誰が何をどうするのか、どこがそれを主導するのか、そして私たち一般市民は何をどうすればよいのか、その具体的な手立ても私たちは知りたいし、それがまた実践に結びつくのではないか。そういう意味でフォーラムでは何が提示されるのか期待したい。

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