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マンタに住みよい環境を

国立公園編入で規制動植物に指定
 石垣島やその周辺海域が西表国立公園に編入されたことに伴い、環境省は昨年12月、新たに39種類の魚介類と25種類の造礁サンゴなどを自然公園法で捕獲や採取、殺傷、損傷などを規制する動植物に指定した。これにより八重山ダイビング界のアイドルともいうべきマンタ(オニイトマキエイ)も、許可なく捕獲などが禁止されることになった。正直言ってマンタにいままで規制がなかったことに驚いたが、しかしこれからは法的に保護対策がとられることになり、歓迎したい。 ■およそ200匹が回遊  マンタは世界中の熱帯・亜熱帯のサンゴ礁海域で見られる世界最大のエイで、平均的な大きさは3―5メートル程度だが、さらに大きなものは8メートル、3トンにもなるという。泳ぎながらプランクトンを食べ、寿命は20年以上とみられているが、その生態は不明な点が多いようだ。性格はおとなしく、好奇心が旺盛で人なつっこいこともあって、あまりダイビング経験のない人でも比較的手軽にマンタとの海中遊泳を楽しむことができるため、ダイバーには最も高い人気を誇っている。   八重山はそのマンタが推定で200匹ほど回遊し、南の島の美しいサンゴの周辺を優雅に泳ぐそのマンタとの遭遇を夢見て、わざわざ本土から大勢のスキューバダイビング客が訪れ、マンタは八重山のダイビング界のトップアイドルとして大きな観光資源ともなっている。  ほぼ年中見られるようだが、南風が吹く夏場がトップシーズンで、特にマンタスクランブルと呼ばれる川平石崎は、多いときは20隻以上ものダイビング船が集まるという。ダイビング業のみなさんはマンタを「00枚」と数えているようだが、八重山の周辺海域には確認されているだけでおよそ100枚、そこから推定しておよそ200枚が沿岸を回遊しているとみられている。そしてその中から幸運な人は1日15、6枚の群れに遭遇することもあるという。 ■違反は6カ月以下の懲役  マンタにはそれぞれ異なる斑点や擦り傷などがあることから、それを目印にダイビング業界はそれぞれ名前も付けており、八重山で確認されたのが慶良間島で見つかったことから、マンタはかなり広範囲で回遊していることもわかった。  今回自然公園法の規制動植物に指定されたことで、今後は無許可で捕獲・殺傷などすると6カ月以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金刑に処されるが、環境省石垣自然保護官事務所によると、これまでのところ八重山は、ダイビング業界がマンタを追いかけない、触らない、エアをかけない―などの最低限守るべきルールを自主的に定めて大事にしているため、これがうまく機能してこれまで問題は出ていないという。  ただマンタは、サンゴと同じく環境を計るバロメーターとして環境変化に敏感に反応するため、やはり同問題もどのように環境を保全していくかが重要な課題だ。西表島と小浜島の間を通るヨナラ水道は、かつてマンタ・ウエイと呼ばれるほどマンタの回遊が多かったが、土地改良事業でサンゴが被害を受けたことから、きれいなサンゴ、美しい海を求めて現在の川平石崎に移動したともされる。 ■3市町教委の皆さんへ  そのサンゴが地球温暖化による大規模な白化現象やオニヒトデ、赤土流入でピンチにあるということは、同じくマンタもピンチということだ。しかもマンタは繁殖力も弱く、環境悪化が急速に進む現況下で絶滅は非現実的な話ではない。そこで3市町教育委員会にお願いしたいのが、こうしたサンゴやマンタをどうするか、地球温暖化にどう対応するかなどの環境学習と、ふるさとを誇りとするため、せめて子供たちが中高校を卒業するまでに最低一度は、授業の一環でスキューバダイビングをさせ、ふるさとのきれいな海を見せてもらいたいということだ。  地元でありながら、案外じかに海中散歩した小中高校生はそれほど多くないだろう。観光客も感動し絶賛するこのすばらしいサンゴ・マンタの海を見せることにより、次代を担う子供たちがふるさとを誇りに思い、ふるさとの自然を大事にしようという機運がさらに高まるはずだ。今年は「国際サンゴ礁年」でもあり、ぜひ実現をお願いしたい。

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